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インナーの越境EC拡大で売上高100億を目指す ~白鳩 中期経営計画~

 

昨日は、統計検定3級の試験でした。久しぶりに試験を受けたのですが、緊張してしまいました。

定期的にこのようなプレッシャーに対峙しておかないとダメですね。力が出しきれません。

ちなみに試験は、思った以上に難しかったです。合格しているのか!?

 

さて、本日は白鳩の中期経営計画をみていきましょう。

 

 

白鳩ってどんな会社?

事業概要

株式会社白鳩は、インナーウェア(下着)専門のEインターネット通販事業を展開する企業です。
レディス、メンズ合計で約13,000品番、国内と海外を含め181ブランドをラインアップしています(2018年8月末現在)。

 

白鳩 ショッピングサイト

 

 

自社サイトでだけでなく、楽天、Yahoo!!、Amazonなどさまざまな販売チャネルを通じ、本社及び配送センターで商品仕入れからサイト運営、物流までの業務をすべて行う「ワンストップ・エコ(便利)システム体制」を構築しています。

 

白鳩 HP

 

 

業績の長期推移

2017年8月期の業績は、売上高50.8億円、経常利益1.6億円です。

売上推移をみると、一貫して増加傾向にあります。

中期経営計画

それでは、今後の戦略について、2018年10月25日に発表された「中期経営計画」をみていきましょう。

 

 

2021年の業績目標

2021年2月期の業績目標は、売上高100億円、経常利益4.9億円です。

※決算期変更により、2019年度は2018年9月~2019年2月の6ヶ月となる

 

株式会社白鳩「中期経営計画」より筆者作成

 

 

成長のタネ

ここでは、2つの視点で成長のタネをみていきます。

 

1.越境EC比率の増加

第47期のEC売上は2,849百万円、第51期は9,040百万円。そのなかの海外比率を、第47期は10%、第51期は17%まで伸ばす目標となっています。

 

株式会社白鳩「中期経営計画

 

 

白鳩のビジネスモデルはざっくりいうと2つ。自社のECサイトで販売するモデルと、他社のインターネットショッピングへ出店するモデルです。つまり、海外のショッピングモールに出店すれば、それだけ海外売上は増やせそうです。比較的海外展開はしやすいモデルだと考えられます。

 

ちなみに、現在白鳩が出店しているショッピングモールは次のとおり。

国内では、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon.co.jp」「Wowma!(旧DeNAショッピング)」「Qoo10」「ポンパレモール」「LOHACO」。海外では「天猫国際」(Tmall.hk)(中国)や「Qoo10」(シンガポール)となっています。

 

今後も、中国・東南アジアEC圏を中心に出店をしていくようです。

 

株式会社白鳩「中期経営計画

 

 

2.システム販売

白鳩は、発注・仕入・在庫管理・受注・売上・出荷・顧客管理・顧客対応・商品登録・撮影・画像制作・サイト在庫連携・売掛管理・入金処理・勤怠・棚卸のそれぞれの業務をワンストップに管理するために自社システム「楽らく通販システム」を構築しています。

 

今後は、新規事業として「自社ECシステムのノウハウを集約した、ソリューション事業を起業」するようです。

自社システム開発で得たノウハウを販売していく事業ですね。

 

株式会社白鳩「中期経営計画

 

 

今まで小売業をしてきた企業が新たにシステムコンサルをするのは難しいと思うかもしれません。特に販路の獲得が難しいでしょう。ただ、白鳩は2016年10月、2018年2月に小田急電鉄の第三者割当増資(合計40%超の議決権)を受け入れ、小田急電鉄の連結子会社となっています。

 

小田急電鉄の販路ネットワークを活用することができれば、システムコンサルの販売先を獲得できそうな気がします。

 

ショッピングモールに出店して収益化するモデルであれば、ニーズは高いでしょう。小田急電鉄の取引先でショッピングモールに出店して利益をあげたい企業は多くいると考えられるためです。汎用性の高いビジネスモデルだからこそ、ニーズが高いのではないでしょうか。

 

 

さいごに

 

今回、白鳩のビジネスモデルを調べてみて少しビックリしました。

インターネットショッピングサイトに出店することで上場まで持っていける会社があるなんて…

しかも、商品は自社商品ではなく、仕入れた商品なので商品で差別化できているわけではないのです(一部、自社商品もあります)。

 

インターネットショッピングサイトへの出店で収益化。このビジネスモデル、意外と強いかもしれませんね。