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空間デザイン領域で収益をあげる ~コクヨ 中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」~

 

昔、英語の教室で、先生に「ステーショナリーってどういう意味?」って聞かれました。
私は、全然わからなかったので勘で「駅にあるお店」って回答。クラス中から失笑を受けました。それ以来、ステーショナリーって単語が嫌いです。

 

今日はそのステーショナリーの雄。コクヨの中期経営計画をみていきましょう。

 

 

コクヨってどんな会社?

事業概要

コクヨ株式会社は、文房具やオフィス家具、事務機器を製造・販売する会社です。

文具、事務用品を製造・販売する「ステーショナリー関連事業」と、オフィス家具や公共家具の製造・販売、オフィス空間構築などを行う「ファニチャー関連事業」、オフィス用品の通販とインテリア・生活雑貨の販売を行う「通販・小売関連事業」などを行っています。

 

累計25億冊以上を出荷した超ロングセラー商品「Campus(キャンパス)ノート」を、誰でも一度は手に取った経験があることでしょう。

 

 

 

業績の長期推移

2017年12月期の業績は、売上高3,156億円、経常利益191億円です。

緩やかながら着実に成長していることがわかります。

 

※2007年は、2007年4月1日~12月31日の9ヶ月間

中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」

 

それでは、今後の戦略について、2018年11月28日に発表された『中期経営計画「持続的な成長力の獲得 Smart & Sustainable Transformation 2021」』をみていきましょう。

 

業績目標

2021年12月期の業績目標は、売上高3,460億円、営業利益215億円です。

2018年12月期と比較して売上高8.8%増、営業利益19.4%増の目標となっています。

 

コクヨ株式会社「中期経営計画 」より筆者作成

 

 

事業内容を再確認

コクヨの事業ドメインは『空間価値ドメイン』『ビジネスサプライドメイン』『グローバルステーショナリードメイン』の3つです。各ドメインの事業内容は以下のとおり。

 

空間価値ドメイン

オフィス、公共施設、商業施設等さまざまな空間の構築。オフィス家具、公共家具等の製造販売を行うドメインです。売上高1,491億円、営業利益148億円。

 

ビジネスサプライドメイン

文具に関するドメイン。「キャンパスノート」の企画・販売やオフィス用品通信販売「カウネット」など、『THE コクヨ』といったイメージです。売上高1,169億円、営業利益33億円。

 

グローバルステーショナリードメイン

海外ドメイン。日本で生まれた素晴らしい文具たちを海外にも届けています。売上高841億円、営業利益68億円。

 

※各ドメインの売上高、営業利益は2018年12月期見込み

 

 

コクヨといえば文具というイメージでしたが、現在は、『空間価値ドメイン』が利益を牽引していることがわかります。

 

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 HP。家具の開発・販売から空間デザインまでを手がける

 

 

株式会社アクタス(コクヨの子会社、年商170億円)のHP

 

 

成長のタネ

中期経営計画には『空間価値ドメイン』の経営環境について以下のように記されています。

 

働く人の目的や働き方に合わせて空間やスタイルを選択できる「ABW(Activity Based Working)」のニーズが全世界で広がっている。

 

確かに、現在、国を挙げて「働き方改革」が進められています。この一環としてアクティビティ・べースド・ワーキングのニーズは高そうですね。

 

アクティビティ・べースド・ワーキングとは、仕事内容に合わせて働く場所や机を選ぶ方法です。たとえば、ひとりで集中したい場合は「集中スペース」、情報交換しながら仕事したい場合は「オープンスペース」など、場面によって仕事場所を変える方法です。

 

コクヨグループでは、日本全国で年間25,000件以上の物件を手がけているとのこと。家具や文具のノウハウがあるからこそ、運用まで一貫した提案ができそうですね。

 

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 HP

 

 

さいごに

 

コクヨって、「ザ・コンランショップ」の親会社だったんですね(今はカッシーナに譲渡済)。

コンランショップには面白い雑貨が置いてあるので、よく利用させてもらってます。

 

ザ・コンランショップ HP

 

 

正直、今までコクヨといえば、デザイン性よりも機能性というイメージでした。

ただ、いまや”オシャレな”会社に転身しているんだと実感しました。