ここ数日、保有する株が気持ちよく値下がりしています。
なんとか回復してくれると良いのですが…
さて、今日は、村田製作所の中期経営計画をみていきます。
株式会社村田製作所は、ファンクショナルセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売を行う企業です。材料から製品までの一貫生産体制を構築しており、小型・高機能・薄型化などの技術でエレクトロニクス業界のトレンドをリードしています。
製品の90%以上が海外で販売され、電子部品専業メーカーとして世界トップクラスの実績を持っています。
株式会社村田製作所「Murata value report 2018」
2018年3月期の業績は、売上高1.4兆円、経常利益1,461億円です。
近年、M&Aを積極的に実施していることもあり、売上高が急成長しています。
それでは、今後の戦略について、2018年11月29日に発表された「中期経営計画」をみていきましょう。
2021年3月期の業績目標は、売上高2兆円、営業利益率17%以上です。
株式会社村田製作所「Infomation Meeting 2018」P19
村田製作所では、市場環境について「新規の市場やプレイヤーの出現により、電子部品に対するニーズが発生」と考えています。社会全体の価値観が変化するパラダイムシフトが起こっているが故ですね。
このパラダイムシフト後の成長市場に対応し、自社の成長に繋げていく方針となっています。
株式会社村田製作所「Infomation Meeting 2018」P2
MLCC市場
村田製作所は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の世界シェアトップ企業です。
コンデンサとは、電気を蓄えたり放出したりする電子部品のこと。電子機器には欠かせない部品です。
詳細は村田製作所HPでわかりやすく説明されていますのでご覧ください。
https://www.murata.com/ja-jp/campaign/ads/japan/elekids/compo/capacitor
今や電子機器の塊である自動車。もちろん、MLCCが使用されています。
今後、自動運転化などで自動車のさらなる電装化が進むなかで、高信頼品の需要が伸びていく見込みのようです。
株式会社村田製作所「Infomation Meeting 2018」P3
スマートフォンにもMLCCは使われています。
スマートフォン市場は成長は鈍化しているものの、一定の伸びは見込まれています。
株式会社村田製作所「Infomation Meeting 2018」P9
MLCCは、車載用で1台あたり3,000~8,000個。ハイエンドスマートフォンで1,000個程度搭載されています。
今後は、生産を増強し対応していきます。
株式会社村田製作所「Infomation Meeting 2018」P6
なお、村田製作所の車載向け部品やスマートフォン向け部品はMLCCだけではありません。
SAWフィルタ、デュプレクサ、セラミック発振子、EMI除去フィルタ、無線LANモジュール、Bluetoothモジュール、インダクタなど様々な部品を供給しています。
IoT市場
今後、あらゆるモノやコトがデジタル化し、インターネットで繋がっていきます。
株式会社村田製作所「Infomation Meeting 2018」P15
村田製作所は強みである無線通信技術、センサー、ソフトウェアを基に「センサ+ワイヤレス+ソフトウェアの融合によるトータルソリューションを提供」するようです。
そう考えると、今や村田製作所は単なる部品メーカーではないですね。
ムラタセイサク君なども「ウチは単なる部品メーカーではないですよ!」というアピールなのかもしれません。
村田製作所が2021年に目指す営業利益率は17%以上(2017年3月期は11.8%)です。
この利益率はすごいですね。
ただ、今年7月に発表した「MLCCを2~3割値上げ」というリリースをみるとあながち不可能ではない気がします。
世界シェアNo1の分野を確立してきた村田製作所ならではの価格戦略といえるのではないでしょうか。
株式会社村田製作所 HP