今年の暖冬で、冬服の売上が落ち込んでいるようです。
本当に温かいですもんね。コートを着る日はくるのでしょうか?
さて、今日は京葉ガスの中期経営計画をみていきましょう。
京葉ガス株式会社(商号:京葉瓦斯株式会社)は、千葉県市川市に本社をおくエネルギー供給・販売企業で、都市ガスを主力としています。営業エリアは、市川市や松戸市など千葉県の北西部です。
東日本に位置する都市ガス会社のなかでは、東京ガスに次ぐ規模を誇ります。
2016年に小売電気事業者として経済産業省に登録、同年より電力供給サービスを開始しています。
2017年12月期の業績は、売上高839億円、経常利益62億円です。
売上推移をみると、ここ数年は減少がみられます。
それでは、今後の戦略について、2018年11月30日に発表された「中期経営計画」をみていきましょう。
京葉ガスでは、計画最終年度である2021年12月期の売上高目標を設定していません。
利益については、総資産経常利益率(ROA):3ヵ年平均4.5%以上と目標を立てています。
既存事業
京葉ガスにとってビジネスチャンスとなるのは、なんといっても「電力自由化」でしょう。
従来、各地域の電力会社(東京電力、関西電力等)だけが販売していた電気。2016年4月以降は、電気の小売業への参入が全面自由化されました。
京葉ガスでも、2021年に電気の契約件数10万件を目指しています。
京葉ガス HP
一方、脅威となるのは、2017年4月に開始された「都市ガスの小売全面自由化」です。
LPガスはもともと自由化されていましたが、都市ガスでも自由化が始まりました。
ガスはどこから購入しても商品は変わりません。
つまり、自然と価格競争が起きることになります。
2017年12月期におけるガスメーター取り付け数は98万件。本中期経営計画では2021年に100万件を目指していますが…
ここをどれだけ維持できるかに注目ですね。
「電力自由化」と「ガス自由化」。この2つは京葉ガスにとってビジネスチャンスでもあり、脅威ともなりえます。これから、この2つの販売でどのように他社と差別化できるか。これが今後の業績を左右していくことは間違えないでしょう。
新規事業
京葉ガスでは、自社を取り巻く経営環境について、「当社供給エリア内の人口推計および限定的な潜在需要の状況から、今後大幅な需要の増加が難しい」と分析しています。
つまり、既存事業での急激な業績の伸びは難しいと考えています。
京葉ガス「中期経営計画」P4
そこで新たな施策として、2018年3月より、スタートアップ企業と新規ビジネスを共創する「KEIYOGAS ACCELERATOR2018」というプログラムを開始。
簡単にいうと、京葉ガスが持つ「約90万件の顧客基盤」「(毎月の検針等による)お客様との接点」「イベント」「グループ会社が行う様々な事業」という強みを活かした新たな事業をスタートアップ企業に提案してもらうという取組みです。
近年、結構増えている取組みですね。
京葉ガスでは、これにより、ガス事業以外の売上高100億円を目指しています。
京葉ガスでは、「再生可能エネルギー発電事業」「設備工事事業」といった本業とシナジーが高いそうな事業から、「フィットネス事業」「清掃事業」「介護事業」「地域生活情報誌事業」などの本業と関連性が低そうな事業まで、多様な事業を行っています。
事業のひとつに「ウォーターサーバー」があります。
たしかに、毎月検針に行くのであれば、ウォーターサーバーの営業をついでに行うという方法も考えられます。
京和住設株式会社 HP
そう考えると、ピリリと面白い新規事業が生まれる可能性は高いかもしれません。
新たなビジネスモデルを作れるか!楽しみにみていきましょう。