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シャープ・鴻海とのシナジーで3年後のIPOを目指す ~Dynabook 中期経営計画~

 

昨日、始めて「M-1」をみました。

「霜降り明星」が優勝しましたが、個人的には彼らの面白さがわからなかったです…

世間の面白さと、自分のなかの面白さでギャップが出ているのはまずいなと、少し凹みました。

歳をとったということでしょうか。

 

さて、今日はDynabook株式会社の中期経営計画をみていきましょう。

 

 

Dynabook株式会社ってどんな会社?

事業概要

Dynabook株式会社(東芝クライアントソリューション株式会社)は、パソコン及びシステムソリューション商品の開発、製造、販売を行う企業です。

もともとは東芝株式会社の完全子会社でしたが、2018年10月にシャープ株式会社が株式の80.1%を取得。現在はシャープグループの傘下にあります。

12月3日に行われた同社PC事業の方針説明会では、2020年度までの中期経営計画の発表とともに、2019年1月1日より社名を「Dynabook株式会社」に変更することが明らかにされました。

 

業績の推移

2018年3月期の業績は、売上高1,467億円、経常利益△87億円です。

直近2期連続赤字と厳しい業況が伺えます。

 

中期経営計画

 

シャープは、東芝クライアントソリューションの株式を40億円で取得。今後は、この回収を行わなければなりません。

 

それでは、今後の戦略について、2018年12月3日に発表された「中期経営計画」をみていきましょう。

 

2021年の中期経営数値

2021年3月期の業績目標は、売上高3,400億円、営業利益70億円です。

2019年3月期の売上高見込みが1,600億円なので、2年間で倍増させる目標となっています。

 

Dynabook株式会社「中期経営計画」より筆者作成

 

 

成長のタネ

中期経営計画では、今後の戦略について「商品強化」および「展開地域拡大」としています。

 

商品強化

現状、ノートPCを中心に展開しているdynabook。
今後は、デスクトップ、Work Station、サーバー、Edgeデバイスなどに領域を広げていきます。

 

 

 

また、シャープが掲げるAIoTプラットフォーム、8Kなどの技術も取り入れていくようです。
ちなみに、AIoTとはシャープが作った造語です。

 

AIoTとは、AI(Artificial Intelligence:人工知能)とIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を組み合わせてシャープが作った造語です。単にモノがインターネットに接続してデータをやり取りするだけでなく、人工知能によって学習し、成長するシステムを目指しています。

 

 

展開地域拡大

現在、dynabookは日本市場への展開が中心です。以前は海外にも販売していましたが、事業のダウンサイジングを実施。販売額が少なくなりました。

今後は、シャープが強い販売基盤を持つアジア圏を中心に北米、欧州などへ販売を強化していきます。

 

数値目標をみると、アジア向けは年平均成長率163%、北米向けは131%、欧州向けは93%と非常に高水準の成長を見込んでいます。

これにより、売上海外事業比率を2021年度には42%(2019年度は22%)まで増加させる目標となっています。

 

 

 

Dynabook社はこの中期経営計画を達成させ、3年後を目処に上場を果たす目標とのことです。

 

 

 

まとめ

シャープの親会社である鴻海精密工業は、DELLなど大手からPCの受注生産を請け負っています。このノウハウがあれば、デスクトップなどの商品拡大は可能でしょう。

 

シャープ参加に入ったことにより、鴻海精密工業とシナジーを生めるか。注目ですね。