友人が今年、家を建てました。
私は「なぜ今年? 2年待ってから建てれば安くなるよ」と伝えたのですが…家を建てる時はそんな合理的な判断よりも、家がほしいという感情が先に動くようです。私には理解できん!笑
今日は、アスコットの中期経営計画から、不動産業界の動向についてみていきます。
株式会社アスコットは、マンションのデベロッパー(開発業者)です。東京都心エリア、シングルやDINKS向けのコンパクト分譲マンションを中心に開発。
「空間は、もっと人の力になれる。」を信念として、シンプルでありながら上質なオリジナルブランドを展開しています。
株式会社アスコット「中期経営計画」P9
2018年9月期の業績は、売上高104.5億円、経常利益4.8億円です。
近年は売上高が増加傾向にあることが読み取れます。
それでは、今後の戦略について、2018年12月25日に発表された「ASCOT 中期経営計画」をみていきましょう。
2021年9月期の業績目標は、売上高270億円、営業利益20億円です。
なお、2019年9月期に売上高が70億円急増するのは、2018年9月期に販売見込みであった物件の売却が2019年9月期にずれ込むためのようです。
それにしても、売上高2.5倍はすごいですね!
株式会社アスコット「中期経営計画」より筆者作成
アスコットの中計では、不動産業界を取り巻く環境が分析されています。
東京都区部の地価は、近年、上昇を続けています。特に、商業地の地価はかなり上昇していることがわかります。次に、建築工事費をみると、2017年度は2011年度比で7.2%も上昇しています。さらに、銀行が貸出を減少させている、契約率が低下しているなど、不動産業界にとって厳しい経営環境が伺えます。
株式会社アスコット「中期経営計画」P6
アスコットの中計からは、このような厳しい経営環境のなかでも成長をしていくための2つの成長のタネが読み取れます。
1.重点エリアを定める
まずは販売エリア。新宿区、墨田区、江東区、品川区、世田谷区、練馬区を重点エリアと定め、今後の開発を進めていきます。
これらのエリアでは、今後10年に渡って人口増加が見込まれるようです。
株式会社アスコット「中期経営計画」P8
2.シングル女性をターゲットとする
もうひとつの成長のタネがシングル女性です。
東京都では単身世帯の割合が増加しています。そのなかで、アスコットのコンパクト分譲においては、シングル女性の来場者が35%にまで増加しているようです。
株式会社アスコット「中期経営計画」P10
このような環境を受け、シングル女性向けの新規ブランド『KOHAKU』を立ち上げています。
アスコットはデザイン力を強みとしているので、シングル女性というターゲット顧客との親和性も高そうですね。
株式会社アスコット「中期経営計画」P18
本中計では「地価上昇」「建築費高騰」など、不動産業界を取り巻く情報をデータとしてみることができました。
ちなみに、消費者目線でこの情報をみるとと、「家を建てるための土地代が高い」+「建築費が高い」→「ローンを組む金額が大きい」ということになります。
今後、仮に金利が上がろうものなら、ローンを払えなくなる方が少なからずいるのではないでしょうか?(もちろん、フラット35などの固定金利でローンを組んでいれば問題ありませんが…)