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BtoC領域投資で成長する ~三菱商事 中期経営戦略2021~

 

最近、飲食店の店員さんって塩対応じゃないですか?全然笑顔をみせてくれない気がします。そのため、飲食店に行こうという意欲が少なくなっている自分がいます。

さて、今日は三菱商事の中期経営戦略をみていきましょう。

 

三菱商事ってどんな会社?

事業概要

三菱商事株式会社は、三菱グループの大手総合商社です。国内外のネットワークを通じて、エネルギー、金属、機械、化学品、生活産業関連の多種多様な商品の売買や製造、資源開発、インフラ関連事業、金融事業を行うほか、新エネルギー・環境分野等における新しいビジネスモデルや新技術の事業化、総合商社の持つ機能を活かした各種サービスの提供など、広範な分野で多角的に事業を展開しています。

 

業績の推移

2017年3月期の業績は、収益7.6兆円、当期純利益5,600億円です。

収益、当期純利益とも前年より増加しています。

中期経営戦略2021 ~事業経営モデルによる成長の実現~

 

それでは、今後の戦略について、2018年11月2日に発表された「中期経営戦略2021」をみていきましょう。

 

2021年の業績目標

2021年8月期の業績目標は、収益9,000億円です。

市況系収益を2018年度見通しの2,430億円から2,500億円と横ばいに置きつつ、事業系収益を3,920億円から6,500億円と66%増加させる計画になっています。


三菱商事株式会社「中期経営戦略2021」より筆者作成

 

なお、「市況系」とは金属資源、北米シェールガス、船舶等の市況リスク感応度が高い事業、「事業系」とはリテイル、不動産、自動車、ライフサイエンス等の市況リスク感応度が低い事業となっています。以前は、商社といえば資源/非資源と事業を分類していたイメージですが、いつの間にか分類が変わったのですね。

 

三菱商事の成長モデル

三菱商事に限らず、商社のビジネスモデルは、投資およびその回収に尽きます。たとえば、1,000億円の資金があったとして、500億円を資源開発、200億円をIT会社…などと投資していき、その投資先からのインカムゲインおよび売却によるキャピタルゲインを受けます。この投資先ポートフォリオを市場環境の変化に応じて組み換えることで、長期的な成長を果たすのです。

 

さらに商社の強いところは、その経営資源にあります。下図は「中期経営戦略2021」のいちページです。薄い緑色の曲線を一般的な成長曲線とした場合、三菱商事が投資・経営参画することにより、濃い緑色のペースで成長させることを目指しています。これにより、収益発生までのスピードを早めることができます。

 

三菱商事株式会社「中期経営戦略2021」P8

 

成長のタネ

前述のとおり、三菱商事は「事業系」を伸ばす方針です。下図の緑色の丸(投融資残高)をご覧ください。現在は川上領域、川中領域などに集中投資していることがわかります。一方、川下領域は「リテイル」のみです。三菱商事の「リテイル」といえば、代表的なものにコンビニエンスストアの『ローソン』が思い浮かびますね。

 

三菱商事株式会社「中期経営戦略2021」P2

 

今後は、上図、オレンジ枠の箇所(サービス分野と川下領域)に投資を振り分けていくようです。川下領域といえば、BtoC領域です。むしろ、いままでEコマースやインターネットサービスに投資してこなかったのがビックリですが。。

 

これまでの三菱商事のビジネスモデルですと、市況の変化により収益・利益が大きく左右されました。たとえば、市況の変化には「原油価格の変動」「金属価格の変動」などがあげられるでしょう。そこで、今後は、市況リスクがある程度限定された、サービス分野や川下領域に経営資源を振り分けることで、安定した収益を確保していきたいという思いがみてとれます。昔に言う『脱資源』ですね。

 

さいごに

 

三菱商事の新たな投資分野。それが、丸ごと日本全体の成長市場としてみることができます。たとえば、サービス分野では「通信」「データ資源」「物流」「リース」「Eコマース」「インターネットサービス」、エネルギー分野では「分散電源」、モビリティ・インフラでは「モビリティサービス」「複合都市開発」などが今後、有望な分野となりえるということでしょう。

 

商社の中期経営計画はこういう観点でみると勉強になりますね!