昨日、ついに『カメラを止めるな!』を観に行きました。不覚にも面白かったです。笑 映画館全体が笑いに包まれている感じも良いですね。
さて、今日はNTTの中期経営戦略をみていきましょう。
NTT(日本電信電話株式会社)は、NTTグループ全体の持株会社です。子会社には、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモなどがあります。
そういえば、昔、NTTに勤める友人に「NTTには研究開発部門と経理くらいしかない」と教えてもらったことがありますが、確かに組織図をみるとそんな感じですね。
NTT HP
2018年3月期の業績は、営業収入11.8兆円、当期純利益0.9兆円です。
営業収入推移をみると、リーマンショック時の2009年3月期、2010年3月期に減少したあと、増加傾向にあることがわかります。
NTTの祖業である「電話」に着目すると、経営環境は厳しいものがあります。固定電話の契約数の減少はイメージしやすいでしょう。また、数日前には子会社のNTTドコモが携帯料金の2~4割の値下げを発表しました。MVNOとの競争も激化していますし、いつまでもドル箱とはいかなさそうです。5Gへの投資などもあり、さらに利益体質は低下する可能性もあります。
そのようななか、中期経営戦略ではEPSを50%増加させるような目標を掲げています。これは、目標ではなくコミットであるというのだからなかなか大胆ですね。今までも継続実施してきた自社株買いに加え、純粋な利益も伸ばすようです。
NTT「中期経営戦略『Your Value Partner 2025』」P31
それでは、どのようにしてこの数値目標を達成するか、その「成長のタネ」をひとつだけみていきましょう。ちなみに、本中期経営戦略には具体的に「これをするからこのくらい儲かる」ということは書いてありません。
個人的に気になったのは、B2B2Xモデルの推進です。まずは、現在、NTTグループがどのようなサービスを提供しているのか、簡単にみていきます。
一般的なB2B取引では、「取引相手にシステムを販売する」「取引相手にサービスを提供する」などにより、取引先に価値を提供することで収益をあげていきます。一方、NTTグループでは、このB2B取引の一歩先。「取引相手の先にいるお客様に価値を提供する」ことを目指しています。
たとえば、以下右図であれば、金融機関のお客さまに最適なサービスを提供するところまでお手伝いするということになります。金融機関にコンサルティング&ソリューションを提供するというイメージでしょうか。
NTT「中期経営戦略『Your Value Partner 2025』」P12
こういったプロジェクトは現在13件動いているようです。2021年度には、このプロジェクトを100件まで伸ばしていく目標となっています。
NTT「中期経営戦略『Your Value Partner 2025』」P11
NTTでは自社を取り巻く環境の変化を下図のようにみています。これらの社会的課題の解決にはICTの活用は欠かせないでしょう。そういう意味では、活躍の場は無限といえるかもしれませんね。
NTT「中期経営戦略『Your Value Partner 2025』」P2