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新業態『杉玉』は成功するか!? ~スシローグローバルホールディングス 中期経営計画~

 

先週、電車に乗っていたら隣の席に芸人さんが座りました。そのときはなんとも思わなかったのですが……昨日テレビで『下町ロケット』に出演するその芸人さんをみたとき、何か親近感が湧いてしまいました。不思議なもんですね。

さて、今日はスシローグローバルホールディングスの中期経営計画をみていきます。

 

スシローグローバルホールディングスってどんな会社?

事業概要

株式会社スシローグローバルホールディングスは、全店舗1皿108円(税込)均一の回転寿司を提供するチェーン店「スシロー」を展開する企業「株式会社あきんどスシロー(以下、「スシロー」)」の持株会社です。

スシローは「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」をミッションに掲げ、日本国内にに509店、海外に10店を展開しています(2018年9月期現在)。

 

業績の長期推移

2018年9月期の業績は、売上高1,749億円、営業利益117億円です。

グラフより、売上高・営業利益ともに増加傾向にあることがわかります。

※2001年~2008年までは「株式会社あきんどスシロー」、2015年以降は「株式会社スシローグローバルホールディングス」の業績を掲載

中期経営計画

2021年の業績目標

2021年9月期の業績目標は、売上高2,400億円、当期利益100億円となっています。売上成長率、利益成長率ともに、年10%超を目指しています。

 

株式会社スシローグローバルホールディングス「中期経営計画 」より筆者作成

 

成長のタネ

スシロー業態は、既に500店舗あります。この業態は、これからも年30店舗のペースで増加させていくようですが、売上増加にドライブをかけるためには新業態の開発も欠かせません。中期経営計画では、新たな業態として、『杉玉』を押していくようです。

 

株式会社スシローグローバルホールディングス「中期経営計画 」P18

 

ちなみに「杉玉」とは、スギの葉(穂先)を集めてボール状にした造形物です。日本酒の造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる役割を果たしています。最近は見かけることが少なくなった気がしますが。

 

杉玉ってこんなやつです

 

スシローの『杉玉』は、大衆寿司居酒屋です。寿司屋と海鮮系居酒屋を融合させた業態で、キーワードは「鮨・酒・肴」。美味しい魚をあてに、お酒を楽しむことができます。

 

株式会社スシローグローバルホールディングス「2018年3月29日 プレスリリース」より

 

現在、杉玉業態は4店舗(西宮市、神保町、神楽坂、阿佐ヶ谷)ですが、これを2021年9月期までに47~61店舗まで増やす計画となっています。

スシローならではの、鮮度と味にこだわった寿司と逸品、相性抜群の日本酒が安く食べられるとなれば、今後の拡大も望めそうですね。ちなみに、価格についても1品あたり299円、399円をベースにしているようです。この分かりやすい価格設定は、最近の流行りですね。

 

新業態が当たるかどうか。こればかりは、展開してみなければわかりません。吉とでるか凶とでるか。この『杉玉』の成否が中期経営計画の肝となることは間違えさそうです。

 

 

まとめ

 

中期経営計画をみて驚いたのですが、スシローのFL比率(材料費と人件費の合計)って75.8%もあったんですね。一般的には50~60%程度となるので、かなり高い印象です。私たちが安い回転寿司を食べられるのもこの企業努力の結果であると再認識させられました。

 

株式会社スシローグローバルホールディングス「中期経営計画 」P20

 

仮に『杉玉』の原価率も48.2%であれば……絶対行ってみたい店舗です。美味しい料理を食べられること間違えありません!