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カプセルコーヒーのM&Aで再起を図る ~ユニカフェ 2019-2021年度 中期経営計画~

 

昨日、『NARUTO-ナルト-』 全72巻を読み終わりました。1週間掛かってしまいました。
やっと、ゆっくり眠れる日々に戻れます!

さて、今日は、ユニカフェの中期経営計画をみていきます。

 

 

ユニカフェってどんな会社?

事業概要

株式会社ユニカフェは、UCCホールディングスの子会社で、缶コーヒーなどの原料となる「工業用コーヒー」でトップシェアを占めるコーヒー加工メーカーです。「コーヒーをコアに人と環境にやさしい企業を目指す」という企業理念のもと、近年は業務用や家庭用コーヒーのほか、有機栽培コーヒーやフェアトレードコーヒーの取扱いにも注力しています。

主要取引先は、アサヒ飲料株式会社、タリーズコーヒージャパン株式会社、ユーシーシー上島珈琲株式会社となっています。

 

業績の長期推移

2017年12月期の業績は、売上高104.5億円、経常利益3.1億円です。

売上推移をみると、2017年以降、減少傾向となっています。

※2016年12月期は決算期変更により事業期間が9ヶ月

2019-2021年度 中期経営計画

 

直近10年間で売上高が半減しているユニカフェ。なかなか厳しい経営環境が伺えます。
それでは、今後の戦略について、2018年11月9日に発表された「2019-2021年度 中期経営計画」をみていきましょう。

 

2021年の業績目標

2021年12月期の業績目標は、売上高236億円、営業利益9.0億円です。
2018年12月期と比較すると、売上高が2.3倍、営業利益が2.6倍の目標となっています。

 

株式会社ユニカフェ「2019-2021年度中期経営計画」より筆者作成

 

 

成長のタネ

まず、ユニカフェを取り巻く経営環境ををみていきます。
以下は、ユニカフェが考える経営環境です。

 

コーヒーを取り巻く環境は、コンビニエンスストアのカウンターコーヒーを始めとし、あらゆる業態・業種でコーヒーが集客力を高める戦略商品であると注目され、新たなコーヒー経済圏を生み出しております。また、サードウェイブと呼ばれるスペシャルティコーヒーブームに伴い、大手カフェチェーン、郊外型高級カフェを営むカフェ業態が店舗数を伸ばすなどコーヒー業界に大きな変化が起きております。さらに、一杯抽出型マシンの普及拡大、ドリップバッグの市場成長などを背景にレギュラーコーヒー市場が加速度的に伸長し、コーヒー業界の成長を牽引しております。

 

このような経営環境のなか、ユニカフェは以下のような戦略を立てています。

 

株式会社ユニカフェ「2019-2021年度中期経営計画」P13

 

 

特に気になるのは、成長分野への投資のなかに記載されている『一杯抽出事業「KEURIG」の事業承継』です。

ユニカフェは、2018年11月9日に、UCC上島珈琲が持つ、一杯抽出コーヒー抽出機の「KEURIG」、その抽出機で使われるカプセル「K-Cup」等の販売事業の事業譲渡を受けています。

 

ちなみに、「KEURIG」や「K-Cup」とはこんな感じです。弊社では『ネスレ社』のものを使っていますが便利ですよね。一台の機械で、色々な種類のコーヒーを味わえるのが気に入っています!

 

KEURIG HP 

 

一杯抽出事業の計画がこちら。2018年時点で約3千万個販売しているカプセルを、5年後には1億個まで伸ばす予定のようです。2017年と2018年をみると販売カプセル数が減少しているので、これをどのように伸ばしていくか。ここが腕の見せどころといえそうです。

余談ですが、カプセルコーヒーの粗利率って45~50%程度しかないんですね。もっと高いと思っていました。

 

株式会社ユニカフェ「2019-2021年度中期経営計画」P19

 

 

さいごに

中期経営計画には、NYコーヒー相場という資料も掲載されています。コーヒーもコモディティとして商品取引されていたのですね。

当たり前といえば当たり前ですが、知らなかったです…

 

株式会社ユニカフェ「2019-2021年度中期経営計画」P2