昨日は学研の中期経営計画を取り上げました。良い計画だと思ったのですが…
株価はストップ安でした。不思議なものです。

さて、今日はビーグリーの中期経営計画をみていきましょう。

ビーグリーってどんな会社？

事業概要

株式会社ビーグリーは、日本最大級のコミック配信サービス「まんが王国」を代表とするコンテンツプラットフォームを展開する企業です。ほかにも、漫画家・イラストレーターファンのための通販サイト「fundly」や世の中の話題を絵で表現するイラスト投稿型SNS「ETOPICA」などといったサービスを提供しています。

「まんが王国」は常時2,500作品以上の無料漫画が読めるほか、毎日読める手頃な価格設定とポイントプログラムで“読みたいときにすぐ読める”を実現。2006年にサービスが開始されてから、コミック単行本換算で累計９億冊ダウンロードを超えるまでに拡大を続けています。

まんが王国  HP

業績の推移

2017年12月期の業績は、売上高89.7億円、経常利益10.9億円です。

増収増益を実現しています。

中期経営計画

それでは、今後の戦略について、2018年11月14日に発表された「中期経営計画」をみていきます。

2021年の業績目標

2021年8月期の業績目標は、売上高150億円超、営業利益率10％超です。

売上高150億円のうち、電子書籍ビジネス以外の売上比率を20％超にする計画となっています。

株式会社ビーグリー「中期経営計画 」P15

成長のタネ

現在の事業構成は下図のとおり。主に、「電子書籍ビジネス」と「ゲームビジネス」となっています。「ゲームビジネス」は当たるも八卦当たらぬも八卦なので、やはり、「電子書籍ビジネス」が成長のタネとなるでしょう。

電子書籍の市場規模は2017年の2,241億円から2022年の3,150億円まで、5年間で41％伸びることが予想されています。電子コミック市場の売上は2017年に初めて紙媒体のコミック市場の売上を上回ったようです（※「出版年報」出版科学研究所より）。

株式会社ビーグリー「中期経営計画 」P6

このような背景のなか、『まんが王国』の会員数も、2018年4月に100万人、2018年9月に150万人、11月現在170万人と急増しています。

一方、競合相手をみると、無料をフックに課金や広告でマネタイズするマンガアプリも拡大しています。また、出版社の自社アプリも増加しております。

余談ですが、無料をフックに広告でマネタイズするビジネスといえば、『漫画村』問題がありましたね。『漫画村』とは「登録不要で完全無料な」漫画サイトです。違法コピーされた書籍をインターネットブラウザ上で誰でも無料で読むことができました。2018年4月に閉鎖されましたが、それまで大きな社会問題になりました。

漫画村についてWikiより引用
2017年から口コミで利用者が急激に伸び、2018年1月にはWebサイト分析ツール「SimilarWeb」の調べで月間利用者数が約9892万人、日本国内のサイトランキングではlivedoorなどの大手サイトを超え31位となり[2]、その影響規模の大きさから社会問題として話題になり始めた。

さて、『まんが王国』に話を戻しましょう。

中期経営計画では、『まんが王国』について、「新規会員獲得の強化」「定着率の改善」「課金者数の増加」と３つの取り組み内容が書かれています。

株式会社ビーグリー「中期経営計画 」P7

新規会員数は現在も順調に伸びているので、大きな課題は「課金者数の増加」となるでしょうか。2017年実績と2018年見込を比較すると、登録会員数が増加しているにも関わらず、課金者数が減少しています。この要因が『漫画村』問題による一時的なものかはわかりませんが、少し気になる点です。

会員が課金しやすくなるような仕組みづくり。これが中期経営計画達成のポイントとなりそうです。

さいごに

ビーグリーの中期経営方針は「コミック配信会社から”コンテンツプロデュースカンパニー”へ」です。漫画や小説について、自社プロデュースのヒット作を創出していく方針のようです。

実際、2018年見込では、40タイトルがプロデュースされているとのこと。このような、「ここでしか読めないコンテンツ」で会員数を増加させる試みのようです。出版社的な立ち位置ですね！

株式会社ビーグリー「中期経営計画 」P11

今朝、記事を書くために『まんが王国』をダウンロードしたので、オリジナルコンテンツもみてみようかなと思います！笑