皆さま、経営計画を作ったことはありますか?
「銀行借入のため」「補助金を受けるため」など、何か目的があって作ることはあっても、定期的に作成しているという方は少ないのではないでしょうか?
ここでは、事業計画を作成するメリットをみていきましょう。
『小規模企業白書2016』によると、経営計画(事業計画や収支計画など)を作成したことがある小規模事業者は53.0%。つまり、半数近くの事業者は経営計画作成の経験がないことがわかります。
つづいて、経営計画の作成の有無と売上高の傾向をみてみましょう。経営計画を作成したことがある事業者の34.0%が、売上高が増加傾向にあると回答しています。
経営計画を作成したことがない事業者に比べて、売上高が増加した事業者が13.8%も多いことにも注目です。
なぜ、経営計画を作成したことがある事業者の売上高が上がっているのでしょうか。
当然ながら、経営計画を作成しただけで売上が勝手に増えるわけではありません。
下図、経営計画を作成した効果をみると、計画そのものだけでなく、作成するプロセスやそこで得たものに、売上高増加のヒントがありました。
これをみると、「経営方針と目標が明確になった」「自社の強み・弱みを把握できた」との回答がそれぞれ約7割にのぼっています。
事業計画とは、一言でいうと、「経営者の頭のなかにあるざっくりしたアイデアを、実行に向けて具体化させた書類」です。書類に落とし込む過程でアイデアを整理・洗練させるため、経営方針や目標、自社の強み・弱みなどを把握できるのです。
事業計画を作ることによって、自社がとるべき方向性やビジネスチャンスの明確化、アクションプランや数値計画の「見える化」ができます。
そして、それを実行していくことで確実な売上増加につながっていくといえます。
また、「販路開拓のきっかけとなった」という回答も38.5%あり、事業計画の作成は、自社の状況に適した販売促進の方法や新たなターゲット層を掘り起こすチャンスにもなりえます。
同白書によると、事業計画を作成したことがなく、今後も作成の意向がない理由は「現状維持ができればよいため」がもっとも多く、「『計画』など大仰なものは不要なため」「経営内容を熟知していれば不要なため」「時間的な余裕がないため」といった回答が多くなっています。
事業計画の作成が面倒だと感じている事業者が多いことが伺えます。
しかし前述したように、事業計画を作成することは、自社の強みや新たなビジネスチャンスを見つめなおす最良の機会です。
地域の商工会や商工会議所では、経営分析支援や事業計画書の作成支援をしてくれます。
自身では「強み」や「事業機会」が分からない…という方でも、プロの指導を受けながら事業計画を作ることができます。
事業計画の作成に興味があるけれど、不安…という方は、地域の商工会や商工会議所に相談してみてはいかがでしょうか?
ちなみに、私のオススメは、経営計画作成後に従業員向けの発表会を開催することです(取引銀行や取引先を呼ぶこともありますが、まずは従業員向けで良いでしょう)。
これによって、従業員とベクトルをあわせることが可能になります!