一年のスタートである1月は、顧客や取引先へのあいさつ回りに始まります。と同時に、今年1年が素晴らしい年になるように経営計画を立てたり、夢の実現に向けた取組みをスタートさせたりと、やらなければならないことが山積する時期でもあります。
「一年の計は元旦にあり」という諺があるように、多くの人が正月休みに、「今年は○○をしよう!」と目標を立てます。みなさまも、ダイエットや勉強、貯金額などの目標を立てたことがあるのではないでしょうか。ここで大切なのは、目標だけでなく、どうやって実行していこうかというプロセス=計画を立てることです。物事を始めるには、最初がとても肝心です。最初にきちんとした計画を立てられれば、その目標の達成も容易になるでしょう。
経営においても同様です。年始の業務として、顧客や取引先へ新年のあいさつ回りがあります。このとき、その先々で今年1年の状況や見通しなどを聴くことも多いでしょう。つまり、1月は情報が集まりやすい時期ともいえます。この収集した情報を基に計画を立てると、計画の精度が高まるのです。
日本には、3月決算の企業がとても多いです。3月決算の場合であれば1月から3月は最後の四半期です。最後の追い込み時期とも言えますし、来季に向けた準備期間とみることもできます。実際には最後の追い込みと考えてカンフル剤を打っても、決算までに成果がでないこともあるでしょう。であれば、来季に向けた準備をする時期と考えるほうが良いのです。
一般的には、新年度が始まってから計画を立てている会社が多いです(場合によっては決算が確定してからという意味で6月に立てる場合もありますが……)。しかし、新しい期の計画を4月のスタート時に立てれば、それだけ経営計画の開始が遅くなります。であれば、3月に立てればいいのでは?という意見もあるでしょう。ですが、3月って何かと慌ただしいのです。3月には、決算セールとか、最後の追い込みって人間誰もがしたくなっちゃいます。この時期に計画を立てる余裕は……ありません。結果的に3月に作れず4月にずれ込み…という循環になりがちです。一方で、1月に翌期の計画を立てることができれば、3月までをその準備期間にできるため、4月からのスタートダッシュが可能になります。
そもそも経営計画を立てることは、「一年間の経営方針を決める」ということです。実際は、計画通りに進むことなんてことはありませんが、どういう方向性で主に何をしていくのかは大事です。それがブレてしまうと何も進んでいきません。
現代は、価値観の多様性や貧富の格差によって、「誰をターゲットにするか?」がとても大事になっています。売りたいものとターゲット顧客がマッチしなければ、どれだけ広告宣伝費を使って集客しても意味がありません。経営計画で大事なのは、「誰に」「何を」「どのくらい」「どうやって」「いくらで」売るのかという、経営の戦略を決めることなのです。
この計画が事前にしっかり決まっていれば、準備もスムーズに展開でき、4月からの新年度が始まると同時に、新たな取組みが開始できます。『最初が肝心』とは、最初に計画を立てることが大事という意味だけでなく、スタートをしっかり決めることができることが大事という意味も含まれています。
2018年度のスタートを気持ちよく切るために、今から経営計画の準備を始めてみてはいかがでしょうか。