安倍首相の推し進めようとしている「生産性革命」。生産性を向上させることで、少子高齢化、働き方改革を実現しようという取組みです。
生産性を向上させるために、もっとも有効な手段が設備投資であることはいうまでもありません。ここでは、設備投資に使える補助金の代名詞である「ものづくり補助金」について解説していきます。
<注意>
2017年12月4日現在、平成29年度の募集は始まっていません。しかし、巷の噂では、平成29年度も公募があるのではないか、といわれています。準備はお早めに!
ものづくり補助金(革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金)とは中小企業の支援の一環として、中小企業が設備投資をするために必要な資金の一部を国が補助するものです。
対象者の条件は「国内の中小企業者であること」のひとつだけです。大企業の子会社など、一部の中小企業を除き、ほとんどの中小企業が対象となるでしょう。主に製造業が対象ですが、実際は、小売業、サービス業、歯科医院まで幅広い中小企業が活用しています。
通常、最大1,000万円(投資金額の2/3)が補助されます。たとえば、1,000万円の設備投資をする場合は666万円、1,500万円の場合は1,000万円、2,000万円の場合1,000万円という計算ですね。もちろん、残りの1/3部分は自己負担が必要なので注意が必要です。
ものづくり補助金を受けるためには、設備投資の計画を事業計画書にまとめ、申請しなければならいません。黙っていてはもらえませんし、それなりの理由がなければなりません。
そこで、次は、応募して採択されるためのポイントを紹介していきます。
応募しても必ず採択されるわけではない補助金。採択率は平成28年度で40%弱程度となっているため、応募しても採択されない可能性もあります。採択されるためのポイントはどこにあるのでしょうか。
平成29年度の公募がどのような内容になるのかはまだはっきりしていません。今までの傾向や安倍首相のお話から推測しますと、ポイントは生産性の向上にあると思われます。生産性を向上させ、働き方を改革するための設備投資が重要になりそうです。
生産性を高め、労働人口不足に対応するようなロボットやAIを導入する計画などは採択される確率が高いでしょう。単に設備投資をするだけでなく、設備投資+αを示す事業計画書が必要といえます。たとえば、24時間自動運転できるような設備を導入できれば生産性は格段に上がりますね!
また、ものづくり補助金は、技術面やマーケティング面で専門家が審査すると言われています。人が審査する以上はインパクトも必要なので、明確な他社との違いは一つのポイントになります。自社の強みがどこにあるかを整理しておき、強みを伸ばすための設備投資をアピールできれば採択率は高まると考えられます。
ここまで読んでみて「なかなか難しいな」と感じた方!ひとつだけ裏技を紹介しましょう。
以下のURLは昨年の「ものづくり補助金」の採択結果です。
http://www.chuokai.or.jp/hotinfo/28mh_saitaku_2017march_zenchu.pdf
ここをみると、会社名に加え、「事業計画名」というのがあります。自社と同類の事業を行っている会社の事業計画名をみれば、きっと「あー、こういう感じでいいんだ」という内容があるはずです。他社の成功事例を参考にして、自社に置き換えてみるのもひとつの方法です。
「ものづくり補助金」はここ数年、連続して公募がかかっています。そのため、各社の事業計画書のレベルがあがっているという印象を受けます。そこで、もし、ウチでも申請できないかな、と思ったら、身近の専門家に聞いてみると良いでしょう。専門家とは、商工会、商工会議所、中小企業診断士、経営コンサルタント、税理士などです。今は多くの専門家がノウハウを持っているので、ちょっと話を聞いただけで、「これならイケる!」「こうした方がいいですよ」などとアドバイスをくれるはずです。
優秀な専門家ほど、公募がはじまると、たちまち案件で溢れて、それ以外の案件には関われなくなります。公募がかかっていない今のうちに、聞いてみると良いでしょう。