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事業計画書にはビジネスモデルキャンバスを!喫茶店の開業融資300万円を獲得した事例

 

さぁ起業しよう! と思ったときに一番必要なものとは一体なんでしょうか? 人脈? 専門知識? 斬新なビジネスアイデア?

 

もちろんこれらも大切ですが、まず重視すべきは「お金」であることは間違いないでしょう。とはいうものの、起業の資金を全額自己資金で賄えるという方は少ないものです。起業資金が足りない時、頼るべき選択肢の一つとして挙げられるのが、銀行融資。いまはゼロ金利政策の影響で融資は引き出しやすいと言われているものの、それでもきちんと準備をしておくに越したことはありません。

 

今日は喫茶店の経営のために300万円の融資を得ることができたという実際の事例から、融資を得られる事業計画書を書き上げるコツをご紹介します。

 

 

脱サラカフェマスター、Aさんってどんな人?

 

今回のお話の主人公は、大手電機メーカーに務めるAさん(30代後半)。Aさんは保守的な企業組織と長時間労働に嫌気が差し、脱サラして地元で喫茶店を開業しようとしています。

 

とはいうものの、試算した結果いまの貯金では店舗の改装費用と初期の運転資金が賄うことができないことが判明。そこで、中小企業診断士に相談し、銀行融資を得るための事業計画策定を手伝ってもらうことにしました。

 

以下は、中小企業診断士としてアドバイスを行った内容です。

 

まずは、資産の棚卸しを提案。いわゆる自己分析ですね。Aさんにはまず、自身の担保とできる、目に見える資産について洗い出してもらいました。

 

<資産の棚卸し>

・父の残した持ち家(現在家族4人で同居)

・ワンルームマンション(4年前に投資目的で購入)

・乗用車(2年前に購入)

 

次に連帯保証人の想定を行います。両親は、息子が大企業に努めていることを至上の誇りとしているため連帯保証人にはなってくれそうもありません。そこで、いまは引退し地方都市のタワーマンションで悠々自適の生活をしている叔父を頼ることにしました。連帯保証人なしの融資もありますので、あまり第三者には頼りたくないですが、念の為、準備だけしておくという感じですね。

 

最後に、ある意味全く畑違いの業種を始めるにあたってのノウハウをどれだけ持っているのかを考えてみました。実は、この点が銀行融資の判断には非常に重要です。そのため、念入りにヒアリングをしました。

 

<ノウハウ等>

・コーヒーの研究を昔から続けていた(夜間で専門学校へ通った経験もあり)

・学生時代は都内の純喫茶でアルバイトをしていた

・コーヒー豆の卸会社との個人的な繋がりがある

 

 

事業計画書の骨子、ビジネスモデルキャンバスの活用

 

次にAさんに勧めたのが「ビジネスモデルキャンバス」の活用です。ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスを開始するにあたって検討すべき9つのポイントを示したフレームワークのことを指します。これを埋めていくことで、ただのアイデアだったものが、実際のビジネスとしての輪郭を得ることができます。

 

ビジネスモデルキャンバスって何? って方はこちらをご覧ください。

ビジネスモデル可視化ツール「ビジネスモデルキャンバス」でメルカリを分析してみた

 

 

実際にAさんと一緒に、下記のようなビジネスモデルキャンバスを作成してみました。

どんな事業をしたいのかが、明確にみえてきませんか?

 

 

 

融資を得られる事業計画書の構成とは?

 

最後に取り掛かったのが、事業計画書の作成です。

Aさんは以下のような構成で事業計画書を作成しました。

 

1.提案者のプロフィール

・自身の経歴の棚卸しを活用する

 

2.事業の概要

・開業の背景

・事業の概要

 

3.ビジネスモデル

・ビジネスモデルの説明

※上記で作成したビジネスモデルキャンバスをここで活用

 

4.外部環境分析

・競合の状況、ターゲット顧客層などの状況

 

5.協力者一覧

・自分のビジネスを応援してくれるひと

 

6.資金繰り表

・収支計算表と資金繰り表

※今回は、高収益、中収益、低収益の3パターンで作成。低収益でも融資の返済は可能であることをアピール。

 

 

担当者の先にいる決済者を意識するためのビジネスモデルキャンバス

 

このようにAさんは事業計画書を策定し、地元の地方銀行の窓口に相談しました。そして紆余曲折を経て、見事300万円の融資を得ることができました!

 

喜びの電話口で担当者の方が融資の成功要因として教えてくれたのが、きちんとした担保と、ビジネスモデルキャンバスの存在でした。

 

ビジネスモデルキャンバスを事業計画書に盛り込んだことで、担当者の方がAさんのビジネスを理解できたのはもちろんのこと、担当者の方が上司に決済を貰いに行く時にも威力を発揮したとのことです。

 

担当者の方が時間のない上司にヌケモレなくAさんのビジネスを伝えることができたのは、ビジネスモデルキャンバスが事業計画書の骨子となり、軸をぶらすことなくプレゼンテーションができたのが大きかったとのことでした。

 

Aさんの経験から得られる教訓は、「銀行融資において、担当者を説得するだけでなく、その先にいる決済者を納得させるストーリーづくり」が何より大切であるということでしょう。

 

みなさんもビジネスモデルキャンバスの活用もふくめ、この点をぜひ意識して銀行融資を勝ち取ってくださいね!

 

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