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【ストーリー】起業者必読!! 500万円の創業融資失敗談と金融機関との付き合い方 第8話

 

では、これら日本政策金融公庫の融資や信用保証協会の融資の窓口を引き受けてもらうだけで、銀行の与信は高まるのでしょうか。

もちろん、残念ながら話はそんなに簡単なものではありません。

では、具体的に銀行からの信用を積み上げながら会社を経営するには、どんな工夫が必要なのか。

今回の記事ではそのポイントについて、お話ししていきます。

 

非常に効果的な方法の一つが、お金の流れをメインバンクに一本化することです。

そして、創業融資を受けているスタートアップの段階であれば、メインバンクはやはり地銀や信金である方が望ましいです。

 

ここで一つ、ちょっとしたクイズです。

 

これは、私がかつてメインバンクとして使っていたある地方銀行の支店長の話です。その銀行は地銀上位で、比較的大きな規模を誇っています。なおかつ取引のあった支店は、地方中核都市の駅前にあり、法人ばかりを相手にしているいわば地銀の中では大店と言ってよい支店でした。

 

その支店長は、毎日無数に入出金されるお金の記録を、どの程度まで目を通しているでしょうか?

 

 

その支店を預かる支店長によると「私は毎日、50万円以上の入出金はすべて必ず見ています」。

 

もちろんメガバンクではとても無理な話ですが、恐らく地銀信金クラスではこんな感覚のところが多いでしょう。

そして何よりも大事なことですが、この時に支店長が私に伝えたかったのは、言外に「オタクの入出金、全部見ていますよ」ということです。

銀行は、そのほとんどの入出金を自行に集中させているのか否か、決算書と照らし合わせればすぐにわかるのです。

特別に必要であるという理由もなく、取引先によって他行と受け皿を分割するようなことをすれば、

「あぁ、お金の流れを見せる気がないんだな」

と理解され、それならそれなりの対応にするだけだと、支店長や担当者の興味を遠ざけるだけの結果になってしまいます。

 

つまり、会社の成長をすべて赤裸々に銀行に見せて、それをお金の流れでも裏付けていれば、銀行は勝手に自社の成長を感じ取ってくれるということです。

この流れができれば、成長がある程度の段階に至ったあたりで、銀行担当者が勝手に足繁く会社に来るようになり、様々な経営上のオプションを提案してくれるようになるのでとても便利になるというわけです。

例えば、地銀といえども系列にはリース会社を持っていることが多く、融資よりも通しやすいということでリースを提案し、さらに成長のための様々な選択肢を示してくれる、ということもあります。

経営者にリースという手段を使おうという知識や発想がなくても、銀行に情報をフルオープンしていれば、新しい知識が向こうから来てくれるということです。

 

そういう意味でも、自社の成長に応じたメインバンクを選び、その時々で隠すこと無く情報を「見られるように」しておく意味はとても大きいのです。

そして可能であれば、個人の給与口座も同じ支店でメインに扱い、個人としてお金をどのように考えているのか、という事も併せてオープンにしておくとより効果的です。

もちろん、デタラメなお金の使い方をする経営者であれば逆効果かもしれませんが、そのような経営者であれば情報を隠しても、結局は全てバレているものです。

隠し立てをしたところで、何らかのメリットを得られることはないのです。

 

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【ストーリー】起業者必読!! 500万円の創業融資失敗談と金融機関との付き合い方
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第1話 【ストーリー】起業者必読!! 500万円の創業融資失敗談と金融機関との付き合い方
第2話 思わぬトラップ、法人口座が作れない!
第3話 続く独立の厳しさ。一難去ってまた一難
第4話 リベンジを強く心に誓う
第5話 なぜお金を借りられなかったのか
第6話 日本政策金融公庫からの創業融資を獲得
第7話 計画的に銀行と仲良くなろう
第8話 与信を上手に積み上げる方法
第9話 【さいごに】結局のところ、大事なのは事業計画とそれを実現する強い意志