いろいろなことをお話したが、スタートアップの会社にとってもっとも大事なものは、やはりなんと言っても事業計画と、それを実現しようとする強い意志です。
これから、誰も経験したことのない自分だけの会社を起業するのです。
様々な不測の事態も発生し、私のようにいきなり事業が立ち行かなくなる危機を迎えるかもしれません。
そのような時に、原点に回帰して自分は何をやりたかったのか。
そしていつまでにやる必要があるのか。
そしてそれはなぜなのか。
そのような自分との約束事を記録に残し、1ヶ月あるいは1週間という節目には進捗を確認し、自分の意志に変わりはないか、進路を変更する必要はないか。
そういった経営のチェックシートとして機能するものは、事業計画書だけです。
特に、社員数が数名程度の小さな会社で、自分以外に頼りになる幹部もいない場合、その「話し相手」になれるのは事業計画書であり、経営計画書だけなのです。
決してキレイに整える必要はないが、逆に言うと形ばかりきれいな数字を並べ立ててもまったく意味はありません。それよりもむしろ、スタートアップの企業においては、自分が理解しやすい、本質的な内容で構成することを強くおすすめします。
日本政策金融公庫や信用保証協会付融資を受けようとすれば、どうしても先方が用意したような、取っつきにくいフォーマットと格闘することもあるかも知れませんが、自社に核となる事業計画書があれば、必要以上に恐れることはありません。
私がそうであったように、事業計画だけキレイに整えても効果はそれほど大きいものではなく、やはり担当者は本質を見て判断しようとしているのです。
なお、スタートアップの段階であれば、格安の顧問報酬でアドバイザリー業務を兼ねて、税理士や中小企業診断士が事業計画書の立案やそのチェックを一緒になって進めてくれるサービスをしてくれる場合も多くあります。
禁酒や禁煙が専門家の指導を受けることで強い意志を常に確認でき成功しやすいように、事業計画書の立案とその進捗管理には、これら専門家の力を借りるというのも一つの選択肢でしょう。
ぜひ、検討してみてください。
この記事が、スタートアップ企業の経営者に目に触れて、その成長の役に立てることがあれば幸いです。
【ストーリー】起業者必読!! 500万円の創業融資失敗談と金融機関との付き合い方
はじめから記事を読む場合はこちら第1話 【ストーリー】起業者必読!! 500万円の創業融資失敗談と金融機関との付き合い方
第2話 思わぬトラップ、法人口座が作れない!
第3話 続く独立の厳しさ。一難去ってまた一難
第4話 リベンジを強く心に誓う
第5話 なぜお金を借りられなかったのか
第6話 日本政策金融公庫からの創業融資を獲得
第7話 計画的に銀行と仲良くなろう
第8話 与信を上手に積み上げる方法
第9話 【さいごに】結局のところ、大事なのは事業計画とそれを実現する強い意志